公正証書遺言は公証役場で公証人につくっていただく遺言のことをいいます。 公証人とは長年、裁判官や検察官等を勤めた実質的意味での公務員です。し たがって法律の専門家が作る遺言ですので方式の不備が生じることはまずあり ません。
また、公正証書遺言は家庭裁判所での「検認」という手続が必要あり ませんのですぐに遺言の内容を実現することができます。デメリットは公証人 手数料等の費用がかかることです。
作成手順は大まかに申し上げると次のとおりです。
1.作りたい遺言の内容をメモするなどして整理しておく。
2.公証役場に連絡し、公証人との事前面接の予約を取る。
3.2.の事前面接で、作りたい遺言の内容や費用・必要書類のことについて打
ち合わせる。
4.3.で打ち合わせた必要書類や費用を用意する。
5.4.の必要書類や費用が準備できたら、作成の日時等を決める。(この時、証人になってくれる人を2人お願いしておく)
6.作成当日に費用と必要書類を持参し、証人2人を同行して公証役場に赴き、
公証人に遺言を作成してもらい、その正本と謄本を受け取り、費用を支払い、
手続完了です。
このようにかなりの手間と労力を必要としますが、それなりの価値はあると 思います。一度作っておくと相続開始時に家庭裁判所の検認手続を経ること なく遺言の内容が実現されますので、作ったあとはかなり気持ちが楽になる はずです。
専門家に依頼するメリットはこの労力と手間の部分を法律専門家が一手に引 き受けてくれるというものです。特に普段平日は仕事の都合で手間と労力を かけられないという方はお金を払っても専門家に依頼する価値はあるのでは ないでしょうか。
また、専門家に事前に相談あるいは依頼することによって、自分が作りたい 遺言の内容を法律的に有効かどうかチェックしてもらうこともできますので安心といえます。
亡くなった後は遺言の作り直しはできないのですから、このように公正証書 にしておいたほうが断然安心です。これとは対照的に自筆証書遺言の場合は 作るのは手軽にできますが、作った後のことが気がかりになります(死後に 家庭裁判所の検認手続を経なければならないからです。
また、作り方に不備があると法律的に無効になってしまうおそれがあります。)。どちらを選ぶか はご本人次第ですが、弊事務所は公正証書遺言を是非おすすめしたいと思い ます。