原則として、日本に入国するには、有効な旅券と査証を得ていなければなりま せん。このページでは日本国査証の取得についての実務的な側面につき記しま す。
日本国査証は世界各国にある日本大使館または日本総領事館にて発給されるこ とになっております。 日本国内では発給されておりませんので注意が必要です。 査証には、外交査証、公用査証、就業査証、一般査証、特定査証等の種類かお り、日本に入国後希望する在留資格に応じて取得しなければならない査証が決 められております。
査証を取得したい場合はまず、査証申請書を提出しなければなりません。そし て添付書類として、旅券、在留資格認定証明書(原則。短期滞在等は例外あ り。)を提出します。申請内容によっては査証官のインタビューを受けます。 審査の結果、問題がなければ査証が発給されます。
ここまで簡単に書きましたが、実際はいろいろなケースが想定されます。 例えば、短期滞在の場合、その人の国籍によっては、たとえ短期滞在でも日本 国内に身元保証人が必要な場合があります。この身元保証人は日本人でなけれ ばなりません。
ところが、法律上日本人としての要件を満たしていないにもか かわらず(イコール日本国籍を有しないにもかかわらず)にその人を身元保証 人として査証を申請するようなケースでは査証官は当惑してしまいます。申請 人は頑なに「日本で長く飲食店を経営しているからその人は日本人です。」と 主張するのですが、査証官は「法律上日本国籍を有していないから日本人では ない。」と反駁します。
そして、「どうしてもその人が日本人であるというなら ば、その人の旅券と更に運転免許証(本籍欄が4 7都道府県のいずれかであれ ば一応日本人と推認できます)のコピーを持参して下さい。」と告げます。結 局、査証申請は取り下げとなりました。このときの申請人は確か中国人であっ たと聞きました。こんなこともあるのですね。
また、19 9 5年の阪神淡路大震災のとき、このときの申請人も中国人だった と聞いておりますが、「日本に身元保証人はいないが、日本にいる親族が震災 の被害に遭ったので査証を出してほしい。」と査証官に懇願したそうです。当 然査証発給拒否となったそうです。
この他にも、在留資格認定証明書が提出されなかったにもかかわらず、日本人 の配偶者等の在留資格に相当する査証が発給されたケースなどがあり、実務上 はかなり複雑なようです。
なお、査証には有効期限かおり、その期限内に日本に入国しないと査証は無効 になってしまうので注意が必要です。また、在留資格認定証明書は査証が発給 されると申請人に還付されることになっておりますので、日本に入国する際に 査証と一緒に入国審査官に提出する必要があります。